2015年 企業経営理論 32問目

中小企業診断士試験問題より抜粋

中小企業診断士試験問題

  

パッケージに関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 陳列棚での調和を考慮して、新商品には当該カテゴリーの連想色をパッケージに用いるべきである。

イ パッケージデザインの変更はブランド鮮度を訴求する有効な手段であるため、イメージを一新するパッケージ変更を積極的に行うべきである。

ウ パッケージは、触覚への訴求を重視することがあるブランド要素である。

エ パッケージ変更は短期的な成果をもたらさないにもかかわらず、他のマーケティング・コミュニケーションの変更と比べると、一般的にコストが非常に大きい。

 

【選択肢】

 

ア・・・連想色を利用すると、他の商品との差別化が難しい可能性があるのでは、と考える。よって不適切。

イ・・・「変更を積極的に行うべき」、の記述が不適切と考える。

ウ・・・適切。

エ・・・「短期的な成果をもたらさない」が不適切。

 

2015年 企業経営理論 31問目

中小企業診断士試験問題より抜粋

中小企業診断士試験問題

  

 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。


人は、一般的に、自分にとって最良と思われる商品を購入する。しかし、購入後に「本当にこの選択でよかったのか」、「迷ったもうひとつの商品のほうがよかったのではないか」と思い悩むことは、決して珍しいことではない。購入した商品は最良と思う一方で、他の商品のほうがよかったのではないかとも考える。人は、こうした2つの認識の矛盾から、心理的な緊張を高める。


(設問1)
文中の下線部の「心理的な緊張」状態を表す語句として、最も適切なものはどれか。
ア サイコグラフィックス
イ 認知的不協和
ウ バラエティシーキング
エ ブランドスイッチング

 

(設問2)
文中の下線部の「心理的な緊張」状態に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア この状態が生じると、好ましい情報を求めて、当該企業のホームページや広告を見る傾向がある。

イ この状態が生じると、当該購買行動が非常に重要な出来事であったかのように過大に感じる。

ウ この状態は関与が低くブランド間知覚差異が小さいと生じやすい。

エ この状態は信頼財よりも探索財や経験財において生じやすい。

 

【用語】

◆認知的不協和・・・認知的不協和 - Wikipedia

◆バラエティシーキング・・・バラエティーシーキングとは - コトバンク

◆ブランドスイッチング ・・・ブランド・スイッチングとは - コトバンク

◆信頼財、探索財、経験財・・・CSAJ/コラム「やさしい情報経済論」経験財のプロモーション

 

【選択肢】

(設問1)

用語の意味から、認知的不協和が解答。よって、イ。

 

(設問2)

ア・・・適切。

イ・・・不適切。

ウ・・・関与が高い方が、発生しやすいのでは、と考える。よって不適切。

エ・・・信頼財についても、認知的不協和が生じると考える。よって不適切。

 

 

2015年 企業経営理論 30問目

中小企業診断士試験問題より抜粋

中小企業診断士試験問題

  

 消費者心理に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 近年、ブランド関連商品をおまけに付けた雑誌が売上を伸ばしているが、その要因は「道具的条件づけ」で説明することができる。

イ 消費者の知覚リスクは、商品知識が乏しい場合や複雑な商品の場合に高まるが、商品に対する関与が高い場合や多くの選択肢から選べる場合には低下する。

ウ 消費者の認知や好意的評価を得ていない新しい商品やサービスの場合には、一般的に、自社ブランドの強みとなる一点を集中的に訴求することが有効である。

エ プロモーション活動において、たとえば紫外線が肌にもたらす悪影響を示すメッセージが化粧品に用いられることがある。通常、恐怖喚起が強ければ強いほど商品効能に対する説得効果は高まる。

 

【用語】

◆道具的条件づけ・・・道具的条件付け(ドウグテキジョウケンヅケ)とは - コトバンク

◆関与・・・購買関与度とは?意味・解説:ビジネス用語・経済用語

 

 

【選択肢】

ア・・・適切。

イ・・・商品に対する関与が高い場合でも、商品に関しての情報が不十分な場合には、知覚リスクが高まるのではないいかと考える。よって不適切。

ウ・・・不適切。

エ・・・不適切。

 

2015年 企業経営理論 29問目

中小企業診断士試験問題より抜粋

中小企業診断士試験問題

  

 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
A (   )に関する活動の一環である保管の目的のひとつは、需要のB(   )への対応である。そのために所有される在庫量は、需要変動の大きさや注文から納品までのC(   ) などに依存する。消費多様化やD(   ) の短縮化も、在庫の増加に影響を与えうる要因である。企業は、こうした日々の在庫に起因するリスクをコントロールするための各種の工夫を行っている。


(設問1)
文中の空欄A〜Dに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
ア A:所有権移転 B:不可視性 C:タイムラグ D:小売業態ライフサイクル
イ A:販売促進 B:ボラティリティ C:サイクルタイム D:製品ライフサイクル
ウ A:物流 B:季節変動 C:リードタイム D:小売業態ライフサイクル
エ A:物流 B:不確実性 C:リードタイム D:製品ライフサイクル
オ A:ロジスティクスB:不可視性C:タイムラグ D:小売業態ライフサイクル

 

(設問2)
文中の下線部に示す「各種の工夫」に関連する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 情報技術の活用は、組織間の情報共有を通じた生産段階の効率化、そして在庫管理や商品補充など物流合理化に貢献しているが、取引上のペーパーレス化に対する貢献はない。

イ 製品形態と生産数量についての意思決定をできるだけ実需の発生時点まで延期し、原料・素材から迅速・柔軟な生産を行う方式は、生産段階における規模の優位性を生み出す。

ウ 投機の原理に従えば、できるだけ早い段階で製品形態や製品の在庫位置に関する意思決定を行うことで、需要の変動性によるリスクの多くを吸収することができる。

エ 流通段階では、製品の在庫位置変更のタイミングをできるだけ実需の発生時点・地点に近づける形での延期型対応が有効である。

 

 

 

【選択肢】

 

(設問1)

保管を活動の一貫とするものは、物流であると考えられる。

よって、エが正解。

 

(設問2)

ア・・・情報技術を活用することで、取引上のペーパーレスを実現できる可能性があると考える。よって不適切。

イ・・・「規模の優位性を生み出す」が不適切と考える。

ウ・・・「できるだけ早い段階で」が不適切と考える。

エ・・・適切。

 

2015年 企業経営理論 28問目

中小企業診断士試験問題より抜粋

中小企業診断士試験問題

  

 価格政策に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア EDLPを実現するためには、メーカーとの交渉を通じて一定期間の買取り数量を決め、納入価格を引き下げ、価格を固定し、自動発注化や物流合理化などを促進する必要がある。

イ キャプティブ(虜)・プライシングは、同時に使用される必要のある2つの商品のマージンを各々高く設定する価格政策である。

ウ ターゲット・コスティングによる価格決定は、ある製品に要する変動費と固定費の水準をもとにして、そこにマージンを付加する方法である。

エ 日本の小売業では、チラシを用いた特売を活用したロスリーダー方式が採用される場合が多い。その主な狙いは消費者による単品大量購買を喚起することである。

 

【用語】

◆キャプティブ・プライシング・・・キャプティブ価格戦略とは - マネー用語辞典

◆ロスリーダー・・・ロスリーダー - Wikipedia

 

 

【選択肢】

ア・・・適切。

イ・・・同時に販売される製品のうち、主製品の方の価格を低くする価格政策であるので、不適切。

ウ・・・不適切。

エ・・・単品大量購買ではなく、他の商品をあわせて買うことを換気していると考える。よって不適切。

 

2015年 企業経営理論 27問目

中小企業診断士試験問題より抜粋

中小企業診断士試験問題

  

 人的販売に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 人的販売では、個人への信頼(人格信頼)が主要な役割を果たすため、企業信頼の効果は限定的である。

イ 人的販売は、営業担当者や売場担当者によって遂行され、広告と同様、説得的な情報を一方向で伝達する役割を果たしている。

ウ 人的販売は、結果統制型の管理システムを通じた費用の低減が顕著な販売促進の手段であり、企業規模の大小を問わず、他のプロモーションよりも予算規模は小さい。

エ 人的販売は、商談や営業のプロセスで顧客の新たな欲求やユーザーイノベーションを察知したり、競争動向の情報を収集したりする機能をもつ。

 

【用語】

◆人的販売・・・人的販売とは・意味|MBAのグロービス経営大学院

 

 

【選択肢】

ア・・・企業信頼の効果が限定的になるわけではないと考える。よって不適切。

イ・・・一方的な情報伝達ではなく、双方向のコミュニケーションが特徴である。よって不適切。

ウ・・・費用低減、という特徴はないと考える。よって不適切。

エ・・・適切。

 

 

2015年 企業経営理論 26問目

中小企業診断士試験問題より抜粋

中小企業診断士試験問題

  

 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

Aさんはアウトドア・グッズを品揃えする専門店を営んでいる。単独店舗による経営で、従業者はAさんを含む3名である。開業時からスポーツ自転車を取り扱ってきたが、ここ数年の自転車ブームを受けて、「この小売店オリジナルの自転車や関連雑貨を用意してほしい」という顧客の声が目立っている。Aさんは、「①PB商品の品揃えは、大きな小売業者でなければ難しいのではないか」と思い込んでいたが、様々な事例を参考にすべく、関連するテーマの本や雑誌を読んだり、各地の小売業者に話を聞きに行ったりしながら、②自店のPB商品導入を検討している。

 

(設問1)
文中の下線部①に示す「PB」に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア PB商品は、その登場から現代に至るまで、一貫して劣等財として消費者の間で普及している。

イ PB 商品を販売することができるのは、小売業者に限られた特権である。
ウ PBは、パーソナル・ブランドの略称であり、ヨーロッパでは、オウン・ブランドと呼ばれることもある。

エ 品揃えにおけるPB商品の構成比が高まると、消費者の不満を招くことがある。

 

(設問2)
文中の下線部②に関連して、小売業者のPB商品の一部導入に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア PB商品の導入によって、NB商品の一部が小売業者の店頭から姿を消すため、小売業者の独立性が低下する。

イ PB商品の導入によって、消化仕入れの取引条件を活用することが可能となり、在庫保有に起因する危険負担を軽減することができる。

ウ PB商品の導入によって、商圏内の競争関係にある店舗との間で、自らの店舗が独占的状況を作り出しやすくなる。

エPB商品の導入によって、自らが価格設定を行う必要がなくなるので、仕入れに関する多くの業務を削減することができる。

 

(設問3)
文中の下線部②に示す、Aさんの自店でのPB商品導入に向けた検討内容に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア Aさんの店舗でのPB商品の品揃えに協力を行う意思決定をした大手自転車メーカーの動機は、単品当たりのより高い粗利益額を得ることである。

イ Aさんの店舗では大量のPB商品を販売することは当面難しいが、有名メーカーのパーツを用いたPB商品や、ダブルチョップ方式で、実現可能であり、一定の売上を期待することができる。

ウ Aさんの店舗は小規模であるが、PB商品の自転車や関連商品を品揃えすることで、有名メーカーに対する強い交渉力を短期間で形成することができる。

エAさんの店舗は単独店舗での経営であるが、近隣に立地する複数の異業種の町工場と連携すれば、独自のPB 自転車を低コストで容易に開発することができる。

 

 

【選択肢】

(設問1)

ア・・・「一貫して劣等財」の記述が不適切。

イ・・・「小売業者に限られた特権」が不適切。

ウ・・・「パーソナル・ブランド」ではなく「プライベート・ブランド」である。よって不適切。

エ・・・適切。

 

(設問2)

ア・・・PBの導入によって、一般には小売店の独立性は高まると考えられる。よって不適切。

イ・・・「在庫保有に起因する危険負担を軽減」が不適切。

ウ・・・適切。

エ・・・PBの導入により、自らが価格設定を行う必要がある。よって不適切。

 

(設問3)

ア・・・「単品当たりのより高い粗利益額」が不適切。

イ・・・適切。

ウ・・・小規模の小売店が、「有名メーカーに対する強い交渉力を短期間で形成すること」は、容易ではないと考えられる。よって不適切。

エ・・・「低コストで容易に開発」が適切ではないと考えらる。