2016年 企業経営理論 31問目

中小企業診断士試験問題より抜粋

中小企業診断士試験問題

 

 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
多くの消費者の支持を得ることができた①ブランドをどのように管理し、成長させていくかは、企業収益を左右する重要な課題である。
ブランド開発戦略として説明されているように、例えば、同じブランド名を用いて、同じカテゴリーに形、色、サイズ、フレーバーなどを変えた製品を導入するA (  )や異なるカテゴリーの新製品を導入するB(  ) がとられる。
 同一ブランドでのさらなる市場浸透策が難しいと判断される場合には、同じカテゴリーに新ブランドを展開するC (  )や、他社との共同開発という形をとり、自社のブランド名と他社の人気ブランド名の2つを同一製品で用いるD が検討される。

 

【用語】

◆ブランド拡張・・・

ブランド拡張とは・意味|MBAのグロービス経営大学院

◆マルチブランド・・・

マルチ・ブランド戦略とは・意味|MBAのグロービス経営大学院

◆ライン拡張・・・

ライン・エクステンションとは - DBM用語 Weblio辞書

 

【設問】

(設問1)
文中の空欄A〜Dに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
ア A:ブランド拡張 B:マルチ・ブランド C:ライセンス・ブランド D:ライン拡張
イ A:マルチ・ブランド B:ブランド拡張 C:ライン拡張 D:コ・ブランディング
ウ A:マルチ・ブランド B:ライン拡張 C:コ・ブランディング D:ブランド拡張
エ A:ライン拡張 B:コ・ブランディング C:マルチ・ブランド D:ブランド拡張
オ A:ライン拡張 B:ブランド拡張 C:マルチ・ブランド D:コ・ブランディング

 

(設問2)
 文中の下線部①の「ブランド」に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 自社ブランドが「拒否集合」に入っている場合、消費者は購買か非購買かの判断に必要な情報を持っていない。

イ 製品ライフサイクルの考えに基づけば、成長期に入ったブランドは、急速に市場に受け入れられ、その売上・利益ともに増えるため、企業はセールス・プロモーション活動を抑制してもよい。

ウ 人は自分のパーソナリティに合うブランドを選ぶ傾向があるため、多くの有名ブランドは、「洗練」、「興奮」、「誠実」など、明確なブランド・パーソナリティの構築に努めている。

エ ブランド担当者は、顧客獲得を巡り、同じカテゴリーにおいて他社とのブランド間競争に、集中して対処する必要がある。

 

(設問3)
文中の下線部②の「ブランド開発戦略」に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 既存のブランド名を用いて、異なるカテゴリーの新製品を導入することは、当該ブランド名が元の製品カテゴリーと強い結びつきを有している場合には、容易である。

イ 同一製品カテゴリーにおいて新しいブランドª群«を適正規模で展開することは、顧客セグメントごとの細かなニーズへの対応を可能にする。それは、製品特徴を際立たせるための有効な手段となる。

ウ 同一ブランド名で形、色、サイズ、フレーバーなどを変えた製品を同じカテゴリーに導入することにより、小売店頭でより大きなシェルフスペースを確保できたり、バラエティを望む消費者のニーズに応えられたりするので、一般的に、リスクのない新製品導入の方法といえる。

エ ブランドは顧客からの長期的な愛顧を目指すものであるため、同一製品カテゴリーであれ、異なる製品カテゴリーであれ、積極的な新ブランドの開発は一般的に、経営資源の効率的な活用につながる。

 

 

 

 

【選択肢】

(設問1)

→回答:オ

 Aが、ライン拡張であることは、用語の定義から想像が付く。また、Bがブランド拡張であることもわかる。

 

(設問2)

ア・・・拒否集合に入ってる場合は、非購買であることが明確である。よって不適切。

ブランド・カテゴライゼーション | 時事用語事典 | 情報・知識&オピニオン imidas - イミダス

 

イ・・・成長期の製品についても、プロモーションは必要と考える。プロモーション活動を抑制するのは、衰退期の製品である考えられる。

 

ウ・・・正しい。

 

エ・・・同じカテゴリー内での競争だけに集中していてはいけないと考える。

 

(設問3)

ア・・・「容易である」と記述が、選択肢として不適切。

イ・・・適切。

ウ・・・「小売店頭でより大きなシェルフスペースを確保」という記述が不適切と考える。

エ・・・「積極的な新ブランドの開発」が、「経営資源の効率的な活用」に繋がるという記述が、不適切ではないかと考える。

 

 

【所感】設問1については、文脈から選択肢を特定できた。設問2は、「拒否集合」という用語を把握しておらず、回答に迷ったが、ウが正解と考えられたので、選択できた。設問3は、紛らわしい表現があり、難しいと思った。