2016年 企業経営理論 32問目

中小企業診断士試験問題より抜粋

中小企業診断士試験問題

 

 顧客が製品やサービスに求める価値は、基本価値、便宜価値、感覚価値と観念価値の4つに分けられる。これらの価値に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア すべての価値を一度に高められない場合、基本価値のレベルにかかわらず、ターゲットに応じて他の価値のいずれかを強化することが得策である。

イ 製品やサービスが顧客にもたらす基本価値や便宜価値は、普遍性や安定性が高く、顧客は価値を理解しやすい。したがって、顧客の満足を得るために企業担当者は、常に、機能を増やし、効用を高め続けることを強いられている。

ウ 製品やサービスの感覚価値は、顧客の客観的な優劣判断を困難にする。そのため、この価値を高めることで、企業は一般的に価格競争に巻き込まれやすくなる。

エ 入手の難しい高価なブランドにおいては、観念価値の作用する割合が大きく、ブランドの歴史や物語などの訴求を通じて、ブランドの高い価値を支えている。

 

【選択肢】

◆基本価値、便宜価値、感覚価値と観念価値について

https://m-repo.lib.meiji.ac.jp/dspace/bitstream/10291/17457/1/furukawa_2015_keiei.pdf

ア・・・基本価値のレベルが低い場合、製品としての機能を提供できていないと考えられる。そのため、他の価値を高めても顧客の満足度は向上しないと考えられる。よって、不適切。

イ・・・機能を増やすことが、効用を高めることにつながると、必ずしもつながらない。よって不適切。

ウ・・・価格競争に巻き込まれる、という記述が、不適切。

エ・・・適切。

 

 

【所感】サービス価値の構造について正しく理解をしないと、なかなかすぐに回答できないと思われる。やや難しいと感じた。