2016年 企業経営理論 27問目

中小企業診断士試験問題より抜粋

中小企業診断士試験問題

 

 価格に関する記述として、最も適切なものはどれか。

 

ア Aさんは、ある家電専門店の店頭で5,000 円のスマートフォンを目にした時、価格の安さに大きな驚きを感じた。その製品の詳細なスペックª仕様«を販売員に尋ね、購買に至った。これは「品質のバロメーター」としての価格が、消費者の購買意思決定を後押しした例である。

イ 一物一価の原則は常に存在するわけではない。購買の行われるタイミングや季節、地域、顧客区分、あるいは需要の動向によって、価格はある程度柔軟に変更される。

ウ 演奏家向けのバイオリンの製作者であるBさんは、この数年、効率的に製作に取り組める工房を手に入れ、バイオリン 丁の生産に要する時間を 割程度削減した。そこで販売価格を 割下げたところ、受注が殺到している。これは価格のもつ「プレステージ」効果による。

エ 消費者にとって、価格には複数の意味があるとされる。そのうちのひとつ「支出の痛み」である。どんなに価格を引き下げても消費者が購買に踏み切ることのできない状況を示すものである。

【用語】 

プレステージ・・・

プレステージ (マーケティング手法) - Wikipedia

 

【選択肢】

ア・・・Aさんは、商品の品質(≒スペック)ではなく、価格の安さに驚いている。よって、「品質のバロメーター」によって、購買の意思決定はなされていない。よって、選択肢は不適切。

 

イ・・・適切。

 

ウ・・・プレステージは、「高品質購買意欲を刺激するために商品を敢えて高値に設定すること」であり、選択肢においては、価格を下げることによって、受注が殺到していることから、プレステージの説明としては、不適切。

 

エ・・・価格については、支出の痛み(犠牲)、プレステージ、品質バロメーターの3種類があり、支出の痛みは、価格の高い、低いへの感度と考えられる。よって、本文、不適切。