2017年 企業経営理論 21問目

中小企業診断士試験問題より抜粋

中小企業診断士試験問題

 

 組織を取り巻く環境の変化が激しくなるにつれて、絶えざる組織変革が求められる一方で、組織アイデンティティの重要性が認識されてきている。組織アイデンティティに関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 異なる利害関係者が関わる組織においては、コンフリクトなどが頻繁に発生するため、組織アイデンティティは効果を発揮することができない。
イ 組織アイデンティティは、業界内の自社の競争上のポジションなどを認識することを通じて確立されるもので、トップマネジメントが経営理念や組織文化に反映していく自社のイメージを意味する。

ウ 組織アイデンティティは、組織の構成員による自己認識であるため、組織の外部からの影響を受けて変化する可能性が少なく、組織に強い一体感をもたらす効果がある。

エ 組織アイデンティティは、他者から自社がどう見られているかを映し出すとともに自社のイメージを他者に印象付け、組織文化に埋め込まれると同時に組織文化の理解を表したものとなる。

オ 単一の組織アイデンティティは外部環境への適応に対する抵抗要因となるため、複数の組織アイデンティティを持つことが、環境への過剰適応を生み出す可能性がある。

 

【用語】

組織アイデンティティ・・・「誰が組織であるのか?」という質問に対する答え。中心制、独自性、連続性の3つを満たすような組織の特徴がある。(『速修テキスト〈3〉企業経営理論〈2018年版〉』より)

 

【選択肢】

ア・・・異なる利害関係者が関わる組織であっても、組織とのしての共通の目的などが存在すれば、組織アイデンティティの効果は発揮されると考える。

イ・・・「トップマネジメントが経営理念や組織文化に反映」するわけではなく、組織のメンバーが認知するものであるので、不適切。

ウ・・・「外部からの影響を受けて変化する可能性が少なく」であると考える。

エ・・・正しい。

オ・・・ひとつの組織が、「複数の組織アイデンティティ」をもつことはないのではないかと考える。

 

【所感】組織アイデンティティについて、理解していないと正しい回答は難しいのではと思われる。