2017年 企業経営理論 16問目

中小企業診断士試験問題より抜粋

中小企業診断士試験問題

 

 モチベーション理論に関する記述として、最も適切なものはどれか。

 

ア A. マズロー欲求段階説は、多様な欲求が同時に満たされることによって、個人のモチベーションが階層的に強まっていくことを提唱した。

イ D. マクレガーのX理論とY理論は、個人は肯定的側面と否定的側面の両面を併せ持つことを示し、状況に応じてモチベーションを刺激する組み合わせを変化させる必要性があることを提唱した。

ウ D. マクレランドの三欲求理論によれば、報酬や社会的な成功よりも個人的な達成感を強く求める人は、自分の能力を超えたチャレンジングな仕事を好み、他者と親和的な関係を結ぶリーダーになろうとする傾向を持つことを提唱した。

エ F. ハーズバーグの二要因理論では、従業員が不満足を知覚する衛生要因と、満足を知覚する動機づけ要因を独立した要因として捉え、必ずしも不満足を解消せずとも、モチベーションを高めることができることを提唱した。

オ V. ブルームの期待理論によれば、モチベーションは将来に対する合理的な計算として捉えられ、特定の努力によって実現される目標の期待値と、目標を実現することによって得られる報酬の期待値の総和として把握できることを提唱した。

 

【用語】

欲求段階説・・・

◆マクレガーのX理論Y理論・・・「人間は生来怠け者で、強制されたり命令されなければ仕事をしない」とするX理論と、「生まれながらに嫌いということはなく、条件次第で責任を受け入れ、自ら進んで責任を取ろうとする」Y理論とがあるとその理論を構築している。

マクレガーのX理論Y理論 – リーダーシップインサイト

◆三欲求理論・・・

 

マクレランドの欲求理論 – リーダーシップインサイト

◆二要因理論・・・

ハーズバーグの二要因理論 – リーダーシップインサイト

◆期待理論・・・人間の行動は、「どこまでやればよいかの限界値が明確で、どうすればよいのか戦略が必要充分であり、達成した目標の成果が魅力的であれば、その目標に向かって動機付けされる」という考え方

期待理論 – リーダーシップインサイト

「期待理論」とは? | 期待理論はモチベーション理論のひとつ - カオナビ人事用語集

 

 

【選択肢】

ア・・・欲求段階説は、字の通り、欲求が段階的に満たされている過程があると主張しているので、記述は不適切。

イ・・・低次欲求が満たされていない場合は、X理論によるアメとムチの管理。低次欲求が満たされている場合は、Y理論による管理を行うことが効果的であるので、刺激の組み合わせを変化させるわけではないため、記述は不適切。

ウ・・・達成動機(欲求)、権力動機(欲求)、親和動機(欲求)の3つの欲求が存在していると主張しており、「個人的な達成感を強く求める人」=達成動機が強い人が、「親和的関係を結ぶ」=親和動機が強い人、であるとは述べていない。そのため、記述は不適切。

エ・・・正しい。

オ・・・「合理的な計算」としては、捉えられていない。そのため、記述は不適切。

 

【所感】それぞれの理論について正確に理解すれば解ける知識問題である。