2017年 企業経営理論 12問目

中小企業診断士試験問題より抜粋

中小企業診断士試験問題

 

 自然災害や大事故などの突発的な不測の事態の発生に対応することは、企業にとって戦略的な経営課題であり、停滞のない企業活動の継続は企業の社会的責任の一環をなしている。そのような事態への対応に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア カフェテリア・プランは、多くの場合、ポイント制によって福利厚生メニューを自主的に、また公平に選択できるようにしているので、突発的な災害などの支援に活用できるメニューは盛り込めない。

イ クライシス・マネジメントは、想定される危機的事象を予測し、事前にその発生抑止や防止策を検討して危機への対応を図ろうとするものである。

ウ コンティンジェンシー・プランでは、不測の事態や最悪の事態を想定して、その事態が与える業務間の影響を測るべく、事業インパクト分析を重視して危機対応の計画を策定するのが一般的な方法である。

エ 事業継続計画(BCP)では、事業停止の影響度を評価分析して、業務の中断が許される許容期限を把握して業務の復旧優先順位を導くために事業インパクト分析の実施が行われる。

オ 事業継続計画(BCP)は、災害時のロジスティクスの確保を重視した企業間ネットワークの構築を目指すものとして策定されている。

 

【用語】

クライシスマネジメント・・・予測不能な自体に対応するもの。クライシスとは、「システム全体や個人に物理的または精神的影響を与え、基本理念つまりシステムそのものの抽象的意義やシステムの実在する確信事項を脅かす崩壊」と定義されている。(『速修テキスト〈3〉企業経営理論〈2018年版〉』より)

 

【回答】

ア・・・カフェテリア・プランが、「突発的な災害などの支援に活用できるメニューは盛り込めない」理由は特にないので、不適切。

イ・・・クライシスマネジメントは、予測不能な自体に対応するものであり、予測可能な自体に対応するものは、リクスマネジメントである。よって、不適切。

ウ・・・事業インパクト分析、という手法が適切ではないと考える。

エ・・・適切である。

オ・・・事業継続計画(BCP)は、自社の事業継続性を計画するものであるので、ロジスティクスを重視するものではないので、不適切。

 

【所感】クライシスマネジメントの正しい知識がないと、エと迷う可能があると考える。あとは、ウも、それっぽい記述なので、読んでいると少し混乱してしまった。